相続について

Q 私は、現在、75歳で、わずかですが財産がありますが、息子たちの仲が必ずしも良くないので、私の死後、相続の争いが生じるかも知れません。できたら、相続の争いがないようにしたいのですが、何か良い方法はありませんでしょうか。

1 後日の相続の争いを未然に防止し、円滑に遺産分割を進める方法の一つに「遺言書」を作成しておくことが考えられます。また、農業や事業の後継者を定めることもできます。
法律上の遺言とは、「自分が死んだ後について、遺産の分配や事業の承継などについて、その処置を決め、その内容を表明し、死後、その意思のとおりに実現させるという」ものです。日常用語で使われている「人が死後のために残す言葉」、「死に際に残す言葉」とは違うことをまず理解して下さい。
2 遺言には、相続に関すること、財産処分に関すること(第三者への遺贈、寄付など)、身分に関すること(子の認知、推定相続人の廃除など)を記載することができるとされています。
3 ところで、法律上の遺言とするには、方式が定められており、この方式を満たしていないと遺言としての効力がないとされています。
 そして、方式としては、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」(他にもありますが、ここでは触れません。)が定められています。
 自筆証書遺言は、自筆であること、作成日付の記載があること、氏名が自署であること、押印が必要であることが要求されています。また、加除・訂正がある場合には、その旨の付記、押印が必要とされています。パソコンではだめだと解釈されています。
 これに対し、「公正証書遺言」は公証役場で作成されたものをいいます。公証役場で作成するという点で、自筆証書遺言の場合と違い、間違いがないといわれています。ですので、遺言書を作成する場合には、公正証書遺言によることをお薦めします。
 なお、自筆証書遺言の場合には、相続開始後、家庭裁判所に遺言書を提出して内容を確認してもらう必要があります(これを遺言書の検認といいます。)。
4 最後に「遺留分」について触れます。遺留分とは、相続人に認められた最低限の権利で、遺言書の内容が相続人のこの最低限の権利、つまり、遺留分を侵害するときは、侵害された相続人は遺留分を害された限度で、他の相続人に対して遺留分を主張することができます。但し、相続開始後1年以内に行う必要があります。
遺言書を作成する場合には、この遺留分を考慮した内容が望ましいということになります。

解答者/(みなと総合法律事務所) 森川仁
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