離婚について


娘が離婚することになりました。娘と相手の男性との間には、小学生の子どもが2人いるのですが、お互いに親権を譲ろうとせず、話し合いが難航しています。この場合、親権をどのように決めるべきなのでしょうか。


そもそも、離婚するにあたっては、協議離婚、調停離婚、裁判離婚と和解離婚という方法があります。
協議離婚は、夫婦間で離婚について合意し離婚届を提出するというものです。これ以外の離婚は裁判所を利用するもので、調停離婚は、調停委員という方に間に入ってもらって、話し合いでの解決を目指します。これに対し、裁判離婚は、法廷の場でお互いの主張を出し合い、離婚原因があると裁判所が判断する場合に、強制的に離婚を認めるというものです(和解離婚は、裁判手続の中で当事者が和解により離婚の合意をするというものです。)。
そして、いずれの離婚の場合でも、未成年の子がいる場合には親権者を定める必要があります。協議離婚の場合はもちろん、調停離婚や裁判離婚の場合でも、話し合いで解決できればよいのですが、今回の場合のように双方が譲ろうとしない場合には、最終的にはいずれを親権者とするかを裁判所に判断してもらうこととなります。
この場合の裁判所の判断は、夫婦のいずれを親権者とすることが子の福祉に適うかどうかという観点からなされます。具体的には、親の事情(子の養育に対する意欲、健康状態や時間的余裕等の養育能力など)、子の事情(子自身の意思、心身の状況や環境変化による影響など)を総合考慮して判断することになります。
また、離婚までの家庭生活において、夫婦の一方が子の養育の多くを担ってきたという事情があれば、それまでの養育環境の維持が子の福祉に適うという考えから、実際に養育を行ってきた者を優先させるという考え方(継続性の原則)や、一緒に育ってきた兄弟姉妹がいる場合には、別々にすることは好ましくないという考え方(兄弟姉妹不分離の原則)もあり、これらの様々な事情を考慮して、最終的な判断がなされることとなります。
もっとも、いずれにしても、離婚というのは夫婦間の事情が原因でなされるものであり、子は突然それに巻き込まれるものです。夫婦間の都合だけでなく、どうするのが自分たちの子どものために一番よいかという点からも話し合いを試みられるのがよいかと思います。

解答者/(みなと総合法律事務所) 森川仁
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