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自然のエキスを使った新しい育毛剤を開発せよ~HG-101開発物語 / 株式会社フローラ

自然のエキスを使った新しい育毛剤を開発せよ

バイオの力で植物に活力を与える植物エキス「HB-101」が順調に売上を伸ばしている(上写真左)。そして、この商品の高い保湿性に着目して開発されたのが育毛剤「HG-101」(上写真右)。スギ、ヒノキ、マツ、オオバコの4種類の植物エキスが入った育毛剤だ。許可申請に向けた準備、繰り返し与えられる課題への対応など長期にわたる許認可までの紆余曲折を、開発室長の杉山孝雄氏が振り返る。

人気商品、HB-101の以外な効用

フローラの「HB-101」。スギ、ヒノキ、マツ、オオバコの4種類の植物エキスを配合した植物活力液で、植物の生育を促進する商品だ。累計通信販売顧客数150万人以上。同社の屋台骨を支える大ヒット商品だ。しかしこの「HB-101」、植物の生育だけではなく、意外な用途で使われていることが顧客から返信されてくる「消費者アンケート」でわかってきた。植物由来のこの商品がカラダに悪いはずがない、ということだろうか。入浴剤として使っています、肌に塗ると肌が綺麗になります、といった意見がたくさん寄せられたのだ。そこで同社では「HB-101」の植物エキスをベースに入浴剤や化粧品、シャンプーなどを開発。どれも人気商品として顧客に支持されていった。

育毛剤の開発に着手

 平成14年、川瀬は突然「育毛剤を作ろう」と言い出した。「HB-101」が皮膚についたら発毛が促進された、という意見が多数寄せられていたからだ。しかし育毛剤は医薬部外品として厚生省の認可が必要で、同社は今まで医薬部外品を開発したことはなかった。
 このプロジェクトを任されたのは杉山孝雄氏。製薬会社で長年勤務し定年退職した後、社長の川瀬に請われてフローラに入社した、いわば医薬品開発のエキスパートだ。しかしこの新商品が医薬部外品の認可を受けるまでには、経験豊富な杉山の想像をはるかに超えた困難が待ち受けていた。
 認可の最大の障害となったのは「スギ、ヒノキ、マツ、オオバコの混合エキスを配合した育毛剤」というものに許可の前例がなかったことだ。厚生省からは使用目的などを明記した詳細な資料を要求された。また安全性を証明するため数々の動物試験にパスする必要もあった。前例なき審査は細かなレベルから始められ、資料も膨大な数にのぼった。杉山以下スタッフたちは諸々の準備を経て平成20年11月、ついに申請にこぎつけた。
 しかし認可への道のりは遠かった。厚生省から提示された課題を一件クリアすると、今度は違う課題が科せられた。それをクリアすると、また別の課題が…。動物実験等は研究所に委託するのだが、費用は一回百万円近くするものもあった。課題が出される度に開発費はふくらみ、当初の予算をはるかに超えていった。杉山はさすがに焦った。「費用がかかりすぎて商品化は無理かもしれない」と彼は思いはじめた。

困難な状況でもブレない社長の決意

 しかしこんな状況でも、社長の川瀬は全くブレなかった。「どんなに費用がかかってもいいですから、やり遂げて下さい」としか言わなかった。トップのこの言葉に後押しされ、杉山たち開発スタッフは次々と要求される課題をクリアしていった。そして平成22年7月、ついに医薬部外品としての認可が下りた。
 商品名は当初「希望の光」という案が有力だった。しかし、すでに普及している「HB-101」の知名度を活用しようということで、「HG-101」とした。髪の成長を意味する〝hair grow〟の略記である。「HG-101」同年10月より販売開始。安全な植物由来の育毛剤ということで話題になり、通販を中心に順調に売上げを伸ばしていった。平成26年4月末日までの「HG-101 150ML」の販売実績は19万本。大成功といえる。さらに、多大な労力とお金をつぎ込んで得た医薬部外品の認可は同社の「財産」となった。医薬部外品の認可を取ること自体がハードルになるため、他社が類似商品を出そうとしてもそう簡単にはいかないからだ。医薬部外品とそうでないものでは、商品自体の信用度が全く違うのだ。

信念と努力が、画期的な新商品を生む原動力に

 新しい製品を生み出すには、思いもよらない困難に直面することもある。しかし「これは無理。できない」で済ませるようなネガティブ思考からはなにも生まれない。何としても最後までやり遂げる、そんなトップの強い信念と、杉山たち開発チームのたゆまぬ努力が生み出した画期的な製品。それが「HG-101」なのだ。

「HB-101」で、世界に安心と安全を届けたい

株式会社フローラ●代表取締役 川瀬 善業 氏

 私は約4百年間、林業を営んできた川瀬家の15代目として生まれました。家は代々、広大な山に杉、檜、松を植林して生計を立ててきました。戦後、農地改革で農業用地は没収されましたが、山林は没収を免れたため、何とか林業を続けることができました。ところが、昭和30年代になって海外から安い木材が輸入されるようになると、たちまち家業の林業は斜陽化していきました。
 子供の頃は自然が大好きでした。小学校4年生の頃、私が暮らしていた地域でもホタルやトンボやドジョウが姿を消し始めたんです。子供心にもこうした環境に違和感を感じました。「なにか行動しなければいけない」という衝動に駆られ、植物クラブや昆虫クラブ、鉱物クラブをつくって活動しました。その活動の中で考えたのは「農薬に代わる物が創れないか?」ということです。「農作物の生育を助けるため杉や檜や松を活用できないか?」とも思いました。この頃に「HB-101」の原型となるアイディアが形づくられ、「HB-101」の原型が出来上がりました。
 「HB-101」の販売を開始したのは昭和53年。HAPPYの「H」、BIOの「B」、「101」には100%以上という意味を込めました。植物(BIO)の技術で世の中を100%以上、幸せにしていくという夢をこの商品に託したんです。販売当初、肥料や農薬はたくさんありましたが、栄養剤や活力剤の類はほとんどありませんでした。類似商品がないため肥料や農薬の一種と見なされることも多かったです。「HB-101」が安全な商品であることを説明するため、いつも携帯している「HB-101」を数滴、水の中に入れて飲んでみせて、安全性を説明していました。こうして「HB-101」は徐々に認知されていったんです。
 「HB-101」が世に広まるにつれて、類似商品も出てきました。しかしそれらの製造方法はまちまちでした。その点、「HB-101」はスギ、ヒノキ、マツ、オオバコから抽出したエキスを原料としているため安全無害で、農薬や肥料とは根本的に違います。使用することで栄養価が高まり、植物に活力を与える商品なんです。でも類似商品が出てくることは歓迎ですね。お客様の選択枝が増えるわけで、そのこと自体は良いことだと思います。
 現在「HB-101」を使っていただいているのは、農家の方、家庭菜園をしている方、趣味の園芸家、造園業やゴルフ場など。サッカー場や競馬場まで使っていただいているんですよ。まだまだたくさんの人に使用していただきたいと思っています。海外へは50ヶ国以上に輸出していますが、さらに使っていただくことで、日本中、世界中が安全で安心な世の中になればいいなと思っています。「HB-101」が普及すれば農薬の使用量を減らすことができますからね。アメリカやヨーロッパ諸国、アジアでもこうした栄養剤や活力剤の類は存在していないので、今でも「肥料なんですか?」と尋ねられることがよくあります。そんな疑問を一つひとつ払拭しながら、海外での販路を開拓していきたいと思っています。
 さらに今後は、「HB-101」を基幹商品として、その他にも医薬部外品や化粧品、健康アップ商品など様々な商品を開発していきたいとも考えています。

株式会社 フローラ

〒510-0855
四日市市馳出町3-39
TEL.059-345-1261
http://www.hb-101.co.jp/

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