三重の企業人たち

オススメ本 その1

永遠の0

マイクロキャビン創業者
大矢知直登さんのオススメ本

永遠の0(ゼロ)

百田尚樹 著
 人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎は、太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。元戦友たちの証言から浮かび上がる祖父の姿は、健太郎の予想もしないものだった。凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに生に執着する戦闘機乗り。「娘に会うまでは死ねない」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか? 記憶の断片が揃う時、真実が明らかになる-。
 

戦争を知る世代がほとんどいなくなった今、平和ボケした我々が読むべき本です。今年映画化されますが、思わぬ展開に引き込まれ、涙が止まりませんでした。百田尚樹のデビュー作にして傑作です。(大矢知氏)

シンボリック・マネジャー

株式会社竹屋会長 
竹尾純一さんのオススメ本

シンボリック・マネジャー

ディール&ケネディー 著、 城山三郎 訳

ハーバード大学のT・ディールとマッキンゼー社のA・ケネディが提唱した理念。全ての集団は何らかの文化を創造する。当然に企業もその企業特有の文化を作り出す。その企業文化そのものという人物が「シンボリック・マネジャー」。彼は企業の英雄であり、経営理念の体現者。そもそも企業文化とは、業務規定、就業規則のように必ずしも明文化されたものではなく、企業の行動の価値観を支配し、従業員の行動指針となっている。その企業文化は、社是、社訓、社長方針などではなく、誰を出世させ、誰をマネジャーにするかで決まる…。

 古い本ですが、経営者やこれから経営をやろうという人は読んでおくべき一冊です。(竹尾氏)

大空のサムライ

株式会社伊藤製作所社長
伊藤澄夫さんのオススメ本

大空のサムライ

坂井三郎 著
 撃墜した敵機は64機。太平洋戦争時のエースパイロット、坂井三郎の自伝小説。戦争や死を美化すること無く、生に喜びを見出し、数え切れないほどの死の淵から生還してきた戦闘機搭乗員の物語。生きるか死ぬかの空中戦の中で勝ち残った著者の言葉は、どの言葉よりも重い。アメリカ、イギリス、フランス等でもベストセラーになり、全世界での売上は100万部を突破した。

 小学校5年生の時に読んだ本ですが、今までで一番おもしろかった。日頃の生活の心構え、戦闘中の省エネ、上司・部下への思いやりなど、経営哲学に参考になる部分が多く含まれていると思います。ぜひ読んで下さい(伊藤氏)。

椎名誠

あいプロジェクト代表
今村博之さんのオススメ本

海賊とよばれた男

百田尚樹 著

 敗戦の夏、異端の石油会社「国岡商店」を率いる国岡鐡造は、何もかも失い、残ったのは借金のみ。
そのうえ石油会社大手から排斥され売る油もない。しかし国岡商店は社員を一人たりともクビせず、旧海軍の残油集めなどで糊口しのぎながら、たくましく再生していく。出光興産創業者・出光佐三の生涯を濃密に描き切ったノンフィクション・ノベル。

 戦前戦後を通して資源のない日本が、大国を相手に日本の勢力圏を拡大していくさまは爽快です。先日のアルジェリアの事件は胸に痛い記憶として残ります。企業戦士について再考する機会になると思います。(今村氏)

マイクロキャビン創業者 大矢知直登さん

新・電子立国

NNK取材班ほか 著

 NHKスペシャル「新・電子立国」を書籍化したもの。全6巻。マイクロソフトの設立からMS-DOSの開発に至るまでの流れや、アタリ・任天堂・セガらによる家庭用ゲーム機を巡る市場での争い、一太郎・Lotus1-2-3などのビジネスソフトの開発秘話などが描かれる。

今は廃版になっていて古本屋さんでしか手に入らないと思いますが、若き日のビル・ゲイツやアップルのもう一人の創業者ウォズニアックのインタビューなど、現在のパソコンやインタネット社会のルーツを知る上で、今読んでもかなり面白い内容だと思います。(大矢知氏)

サマーズの悲しいダジャレ

菰野町長 石原正敬さん

さまぁーずの悲しいダジャレ

さまぁーず 著

 ダジャレの前後に余計な一言を付け加え、聞いている相手を悲しい気持ちにさせてしまうという悲しいダジャレ。「ねぎを値切る。夜中まで」。「死んだあの人の形見のイスに、座っていいっスか?」。「病気で寝たきりのおじいちゃんの、フトンが吹っ飛んだ」といった具合だ。天才・大竹のセンスと三村のツッコミが独特のさまぁーずワールドを醸し出す。

頭の中を完全にリセットする場合に最適の1冊です。一つ一つのダジャレにツッコミが入っているのと、単なるダジャレの羅列ではなく「モヤモヤ」とした流れがある辺りが、さまぁ~ずの真骨頂と感じています。(石原氏)

五木寛之

株式会社サノプランニング社長 佐野貴信さん

他力

五木寛之 著

 「五木寛之こころの新書」シリーズの第12巻目にあたり、仏教に造詣の深い著者が、初心者にも理解できるよう平易に仏教の核心を語る。法然、親鸞の思想の核心をなす「他力」の概念をベースにした現代社会を生きぬくための一〇〇のヒントは考えさせられるものばかりだ。

他力本願っていう言葉がありますけど、それを逆にに読むと本願他力です。本当に願う事を叶えるには、他力が大切なんです。僕はそれまで自分の力で何でもやらなければいけないと思っていたので、この本を読んで発想が180度変わりました。(佐野氏)

椎名誠

向陽台高校古川学園キャンパス副校長 岡出さん

椎名誠の作品全部

椎名誠 著

 冒険と酒と格闘技をこよなく愛する無頼派作家、椎名誠。「さらば国分寺書店のオババ」でデビュー。代表作は「犬の系譜」「岳物語」「哀愁の町に霧が降るのだ」などの自伝的小説、「アド・バード」「武装島田倉庫」などのSF作品、「わしらは怪しい探険隊」「わしらは怪しい雑魚釣り隊」などの紀行エッセイなど。

椎名誠さんの本は全て面白いです。なんと言っても読みやすい。吸い込まれそうな魅力がある。思わず本に出てくる場所に行ってみたくなる、味わい豊かな作品ばかりです。(岡出氏)

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